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Post title iconノーコードNotionブログ「N2B」サービス運営の裏側
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この記事は個人開発 Advent Calendar 2023の11日目の記事です。

いろんな個人開発の経験談や成果物が知れる個人開発アドベントカレンダー2023の11日目はブログを書き始めて8年、ブログ大好きエンジニアのおとよが個人で開発、運営しているノーコードNotionブログサービス「N2B」についてお送りします。

N2B公式サイトは下記になります。

ブログと言えばはてなブログやMedium、noteといった代表的なサービスに始まり、最近ではmicroCMSに代表されるヘッドレスCMS形式のブログも人気を博してきています。

ヘッドレスCMS形式のメリットは、ブログのUIとコンテンツが完全に分離されているので、例えばコンテンツにあたる記事はNotionで執筆し、UIは自分でプログラミングしたものを使う、なんてことができる点です。

筆者もヘッドレスCMS形式のブログを長く愛用していて、まさにこのブログも全てNotionを使って執筆、管理されています。

UIには筆者が開発、公開しているOSSのastro-notion-blogが使われていますが、その話はOSSアドベントカレンダー2023で後日する予定ですので、良かったら覗きに来てください。

NotionをヘッドレスCMSとするいわゆるNotionブログですが、OSSとして公開されていたためブログを開設するためにはGitHubからコードを取得し、Notionインテグレーションを作成し、ホスティングサービスを契約し、環境変数を設定してようやく公開、といった手続きが必要でした。これらのツールの使い方とプログラミングの知識が要求される分、誰もがNotionブログを簡単に始められるというわけではありません。

また、Notionブログを始められたとしてもメンテナンスは自分で行わなければなりません。アップデートの適用や依存ライブラリの更新などです。開発が活発なOSSほどこれらの頻度は多くなります。すると、書きやすさのためにNotionブログを始めたはずなのに、書くことに集中できないというジレンマが生まれます。

Notionに記事を書くとブログにできる、たったそれだけのサービスがあっても良いのではないか。そんな小さな願いを叶えるために生まれたのがノーコードNotionブログ「N2B」です。N2Bの由来はそのままNotion to Blogから来ています。

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N2Bで作れるNotionブログ

N2BはノーコードNotionブログを謳っているように、技術的な知識を必要としません。必要なものはNotionアカウントだけです。Notionさえあればものの5分でNotionブログを始めることができます。ブログURLのサブドメイン部分も自由に決めることができますし、カスタムドメインを設定することもできます。

N2BはただNotionで書けるブログというだけではありません。最もこだわっている点はブログの表示の速さです。

ブログに限らずWebサイト全般に言えることですが、表示の遅さはユーザーの体験を損ねます。Googleの過去の研究によると、ページを開くまでに3秒かかるとモバイルユーザーの半数が離脱するそうです。

また、私個人の体験として、私はブログを備忘録として使っていてよく自身のブログを検索するのですが、上に挙げたブログサービスを利用していたときどうしても表示の遅さに耐えられなくなってしまいました。

Webページの表示が遅いのには理由があります。Webページには、ユーザーが訪れたときに都度ページを生成して提供する動的生成と、事前に生成しておいたページをユーザーに提供する静的生成の2つの方法があります。

レストランで例えてみましょう。注文が入ってから料理を始める場合と、注文が入る前から料理を作っておくのとでは提供スピードは段違いに後者が速いです。しかし、ここで気付いた方も多いはずです。この方法ではユーザーの注文を反映できないのです。

一般的に、動的生成よりも静的生成の方がページの表示は速いです。だからと言って全てのWebサイトを静的生成にすれば良いかというとそうではありません。静的生成ではユーザーごとにページの内容を変えるといったことが(通常は)できないので、これら2つの方式はWebサイトの性質によって使い分ける必要があります。オンラインショッピングサイトのようにユーザーごとに注文が異なり、商品の在庫も刻一刻と変化するようなページでは動的生成の方が適しているということになります。

ブログはどうでしょうか?

昨今のブログにはいいねやコメントといった双方向コミュニケーションの機能が当たり前にあり、これらの機能を実現するために多くのブログサービスでは動的生成が採用されています。

しかし、元来ブログとは執筆者が書いた記事をユーザーが読むという一方向的なコミュニケーションの性質を持つものでした。ユーザーごとに表示を変える必要がないこの性質は静的生成に適しています。

N2Bはこの点に着目し、ブログの全てのページを静的生成にすることで高速化を実現しています。もちろん、いまや必須となったいいねやコメント機能も多少の制限はあるものの実現しています。N2Bがどのくらい速いかは下記ツイートのパフォーマンススコアを見ると分かっていただけるでしょう。

Notionで書けるというだけでなく表示も圧倒的に速い。これがN2Bをおすすめできる理由です。

個人開発がテーマなので、技術的な話よりもむしろサービスをどのように成長させてきたか、どのように運営しているかに興味のある人が多いのではないかと思います。

N2Bは2023年3月に開発をスタートし8月にリリースしました。私は実績のない無名開発者ですので、リリースしたは良いもののユーザーの獲得にはかなり苦労しました。サービスをいざリリースしたものの登録者数が伸びないと心に来るものがあります。

「まあ、経験になったからいいよね」で終わるのは簡単でしたが、作って満足したサービスと実際にユーザーを獲得したサービスとでは天と地ほどの差があります。それにサービスを終わらせるのはいつでもできるので、その前になぜ登録者が増えないか徹底的に分析して打てる手を打ってみることにしました。

最初に行ったのはファネル分析です。サービスのホームページにユーザーが来ていないのか、来ているが登録に進んでいないのか、登録しようとしたが離脱しているのかを切り分ける必要がありました。そもそもユーザーが来ていないのであればSNSやブログで紹介したり、広告を使って流入を確保しなければなりません。トップページに来ているものの登録導線に進んでいないのであれば、サービスの良さが訴求できていない、導線がわかりにくい、利用料金が高いといった原因が考えられます。

分析の結果、流入が少ないだけでなく登録導線への遷移がないこともわかりました。流入が少ない問題に対しては折悪くTwitterの移管騒動があったため、SNSでの告知ではなくGoogle広告を利用することにしました。登録導線への遷移が少ない問題については、トップページのブラッシュアップと同時に利用料金の引き下げを行ない様子を見ることにしました。結果、少しずつではあるものの新規ユーザーを獲得できるようになりました。

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ブラッシュアップしたトップページ

開発者だとあらゆる問題を開発で解決したくなってしまいますが、しっかりと原因を分析し仮説を立てて検証することが大事です。もちろん全ての仮説が正しいわけではないですし、仮説が正しかったとしてもデータが得られるまでには時間がかかります。長期戦に備えてサーバー費用はもちろん、サポート対応も自分自身で行うことでランニングコストを抑えておく必要があります。

私は個人開発の強みは長いスパンで取り組めることだと思っています。新規の開発は会社でもできるでしょうが、会社のプロジェクトは目標を達成できなければ打ち切られてしまいます。一方、個人開発ではスピードはゆっくりでも時間をかけて成長するといった戦略をとることができます。投資の世界でも長期になるほどリスクが低下するように、時間をたっぷり使えるというのは大きなアドバンテージです。もし個人で何か作ったのなら、個人開発の特権と思って長く取り組んでみるのも良いかもしれません。

以上、この記事では筆者が個人で開発、運営しているノーコードNotionブログ「N2B」について紹介しました。

明日以降も個人開発 Advent Calendar 2023をお楽しみください。

Thank you!
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