令和になり、CREという役割はときどき耳にするようになってきました。GoogleがCREを発表したのが3年前、はてなに続き2017年末に私がミクシィでCREを立ち上げてから1年半が経っています。
今日は、以前からカスタマーサポート(CS)エンジニアとしてCSに携わってきた私が、ミクシィCREのこれからについて思うことを振り返りとともに書いてみたいと思います。
私がミクシィに入社してCSエンジニアとしてのキャリアを歩み始めたのは25歳のときで、2013年2月でした。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、ミクシィが初めて赤字転落し大きく報道された年でもありました。その後、モンストのヒットによりV字回復を遂げるのですが、それまでの暗澹たる雰囲気は、入社したばかりで為すすべもなかった苦々しい記憶として今でもよく覚えています。
私は経営についてはわからないのですが、経営が悪化したときによく取られる手法にリストラがあります。リストラというと人員削減と思われがちですが、人員も含めいろいろなコストを見直し再構築することです。
CSがリストラで目をつけられやすい部門の1つであるというのは想像に難くないでしょう。CSは収益を生まないし、収益につながらないと考えられていたからです。今ではその考え方は少しずつ変わってきているように感じますが、少なくとも当時はそんな雰囲気でした。
たとえ経営状態が良かったとしても、CSは経営陣の交代や方針転換の影響を受けやすい部門です。ここでみなさんにも考えて欲しいのですが、プロダクト組織とCS部門はどんな組織構成になっているのが良いでしょうか?
つまり、プロダクト組織ごとにCS部門が存在する方が良いのか(図1a)、プロダクト組織とは独立したCS部門が存在する方が良いのか(図1b)ということです。
お察しの通り、どちらにもメリット・デメリットがあるため一概には言えません。すると何が起きるでしょうか?
経営陣の交代や方針転換のたびに、じゃあ変えてみようとなるわけです。CSに強力なリーダーがいるときはCSが一つの組織として、いなくなれば解体されるといった具合です。そんなわけで私は、CS部門が2年周期で離合集散するのを見てきました。
キャリアを考えるとき、キャリアの先駆者が近くにいることは、私のような一般的なサラリーマンにとっては良い環境だと言えますし、同じことがCSでも言えます。CSに詳しいリーダーがいることで、CS部門全体の能力が向上します。すると、効率化や新しいチャレンジのチャンスが増えるため、結果としてCREにとっても良い環境になります。
私のいるCSとCREは、今まさにこの状態です。しかし、そのままでは歴史が繰り返されるだけです。この繰り返しの歴史に終止符を打つにはどうすれば良いでしょうか?
徹底的にプロダクトに寄り添って、顧客満足度や顧客のサービス継続率に貢献すべきだと言う人もいました。しかし、私の意見は違います。Webサービスやゲームは移り変わりが激しいとよく言われますが、毎年流行が変わるファッション業界に比べればまだ緩やかな方でしょう。今好きなブランドも、たとえ店員さんの接客に満足していたとしても、10年後にもまだ好きだと言える自信はありません。なぜなら、10年経つと年齢も、ライフステージも、価値観も変わってしまうからです。
そう考えると、隆盛を極めたSNS mixiやFacebookが10年経ち落ち込んでいくのも、顧客満足度がどうとかCSがどうとかいうことではなくて、自然なことに捉えらえると思います。ではどうすればいいかということですが、経年とともに飽きられてしまうのなら、自立を目指すべきというのが私の考えです。CSが収益を生むのであれば、誰も解体しようなんて言わないでしょう。
今、最高に楽しく、難しく、重要な局面を迎えています。失敗は、成功しなければ無意味です。悔いの残らないように全力で取り組んでいきます。
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