若手の育成で、以前はあれこれ細かく言うのは過干渉だと思って避けていたのだが、最近は考えを改めて事細かに伝えるようにしている。
例えば「レビュー依頼はCIが通ってからしよう」とか「体調管理は業務時間外でもしっかりしよう」とか「タスク管理は期限と優先度、見積もりの工数がわかるように管理しよう」とか「コードが思った通りに動かないときにいきなりググりに行かないでまずはエラーメッセージを読もう」とかそういったことだ。
何を当たり前のことを、と思われることだろう。以前はそういうことはいずれ、自分で気づくときが来るだろうと思って伝えていなかった。
それに、自分の場合は細かいことをとやかく言われるのは嫌だったし、自分で身をもって学ばなければ経験にならないと思っていたからだ。
そういった細かいことを伝えるようにしてから、体感的には成長のスピードが上がった。
自分で気づくのを待つより伝えた方が早いというのはもちろんだが、そもそも伝えなければ自分で気づくことに至らない可能性だってある。
私は相も変わらず自分で経験して気づくことは大事だと思っている。しかし、自分で気づかせることと最初から伝えることを、育成者が選別して何をどちらで与えるかを考えることが重要だ。
論語には、弟子が考えて考えて考え抜いた結果、それでもわからなくて縋ってきたときに初めてそこに教育があるのだ、的なエピソードある。私は無邪気に育成とはそういうものだと思っていたが、この話が本当に伝えたかったのは、そういう状況を育成者が作ってあげよという意味なのだと思うようになった。育成って難しい。
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