6月3日から5日間、連休を取って西表島を旅行した。
沖縄旅行の定番といえば宮古島や石垣島だが、なぜ西表島なのか?
西表島は亜熱帯気候で、面積の9割がジャングルに覆われている。日本国内でこれだけの規模のジャングルはあまりない。今回はひとり旅で、とことん自然を体験しようということで西表島に決めた。
自然豊かな西表島での体験を写真と共に紹介していく。
早朝の便だったので羽田空港にあるカプセルホテル、ファーストキャビン羽田ターミナル1に前泊した。1泊6,000円程度で大浴場付き、内装も綺麗で空港へのアクセスも至近だが、気になる点がいくつかあった。
ひとつめはベッドの硬さ。畳かと思うほど硬い。おかげで2時間おきに目が覚めてしまった。ふたつめは物音。半個室のカプセルホテルなので仕方ないとはいえ、耳栓をしていても咳やいびき、目覚ましのアラーム(禁止のはずだが)の音が耳障りだった。次からは同じ値段かもう少し出してビジネスホテルを選ぶだろう。
引用元: https://www.ana.co.jp/ja/jp/domtour/okinawa/dp_ritou/yaeyama/
6:50の便で石垣島空港へ向かった。3時間ほどのフライトで、島の東側に位置する空港に着いた。西表島へはフェリーで渡るため、島の南側にある石垣港まで移動しなければならない。石垣港まではバスで35分かかる。バスの運行会社が2つあることに気が付いたのは、往復券を買ってからのことだ。
天気予報に反して晴れ、熱中症警報が出るほど気温が上がった。石垣港は市街地にあるので、フェリーに乗る前に市街を少し観光するつもりだったが、暑さが刺すように痛いため諦めた。市街地は東京近郊と大差ないほど発展している。自然が目当てなので離島を目指したのは正解だったかもしれない。
思えば飛騨に行ったときも、伊勢に行ったときも、ステーキを食べている。石垣島といえば石垣牛ということで、昼食はかねてより決めていたステーキレストランでとることに。私の中での格付けが、飛騨牛>石垣牛>松坂牛に更新された。
昼食を終え、フェリーで西表島の上原港へ向かう。西表島に向かうフェリーは、北側の上原港行き、南側の大原港行きの2ルートある。行き先を間違えないように注意しよう。そしてもうひとつ、もし離島へ渡るなら、空港からのバスは東(あずま)交通を利用しよう。フェリーの割引券がもらえるからだ。飛行機の中で配られる5%割引クーポンと併用でき、往復で1,000円以上割安になった。
波は穏やかだったが、フェリーの前方座席に座ったためひどく揺れ、船酔いしてしまった。乗り物酔いしやすい人は比較的揺れの少ない後部座席に座ろう。到着後の送迎は、フェリーのチケット購入時に希望すれば手配してもらえる。
西表島に限ったことではないが、おひとりさまで泊まれるホテルは多くない。今回利用したニライナリゾートは、シングルが1部屋あり、洗濯機も共用スペースで使えた。ファミリータイプやツインルームもある。
チェックイン後、シュノーケリングしに近くの「星砂の浜」へ向かった。干潮だったため泳げるスペースは狭かったが、それでも小さな魚を見ることができた。今回マリンアクティビティのために、GoProのフローティングハンドグリップを投入した。ストラップを手首につけておけるし、万が一外れてしまっても浮くので安心だ。
ニライナリゾートでは、曜日によって夕食の営業を行っていない日がある。今日がその日だったため、夕食を求めて外出した。このときわかったのだが、東京と同じ感覚で西表島を歩くと汗だくになってしまう。湿度が高いのだ。目当てのイタリアンは予約で満席、さらに歩いてフランス料理店でなんとか夕食にありつくことができた。
西表島では天気予報はあてにならないらしい。予報では大雨だったのに、朝から日が差していた。朝食に主人特製の自家製パンをいただき、いざマングローブカヌーとジャングルトレッキングへ。
カヌーを浮かべた浦内川は、沖縄県で最長の川だ。浦内川から支流に入り、マングローブ林に入っていく。川は流れが速く、風もあった。以前、志摩で初めてシーカヤックをしたときは無風だったし、マングローブという障害物がある分、段違いに難しい。ベリーイージーの次にいきなりハードモードをプレイするような感覚だ。何度もマングローブに激突し、顔から枝に突っ込んだ。
最奥部まで行き、あまりの狭さにUターンにもたついていたらガイドさんに怒られてしまった。みんな上手くできるのだろうか?上手くできないときに怒られるとこんな気持ちなるのか、気を付けよう、と神妙な気持ちになった。怒られたと言ってもカラッとしていて、雰囲気は悪くない。それに歳も歳なので、そういう経験ができたのは良かった。
眺めの良い岬で昼食を食べ、ジャングルトレッキングでピナイサーラの滝を目指す。河口から川に沿って滝を目指す沢歩きだ。濡れた岩から岩へと歩くので、普段ボルダリングで鍛えられた体幹が役立った。滝は第3まであり、1時間足らずで着く。あいにく雨が降り出していたが、海まで一望することができた。
夕食は居酒屋「パイン館のとなり」でゴーヤチャンプルを食べた。沖縄でゴーヤチャンプルを食べたのは初めてだったし、妻が作るゴーヤチャンプルが美味しいので試すつもりで食べてみたが、また別物で美味しかった。スパムが入っているのが特徴的だった。
西表島はその昔、炭鉱で栄えたそうだ。しかし、炭鉱での強制労働やマラリアのため多くの人が亡くなり開発が遅れ、結果として大自然が残ったという悲しい歴史がある。今の西表島の住民にはIターン移住者も多いようだ。
夜中に雷が鳴っていたが、朝になると綺麗な青空が広がった。港から船に乗り込み、船上でダイビングのレクチャーを受ける。ウェットスーツの感覚や酸素ボンベの重さ、レギュレータを介した呼吸など、初めてのことばかりで緊張する。
ハシゴを伝ってゆっくりと顔を水につけ呼吸する。呼吸は大丈夫そう。ゆっくりと全身を水中へ。息が苦しい!一度水面へ。緊張のあまり息を吐くのを忘れていた。笑い話のようだが、意外とそういう人は多いそうだ。息を吐くことを意識しつつ、今度こそ水中へ。耳抜きをしながら5メートルほどの海底へ降りていく。
サンゴのまわりには、クマノミや初めて見る魚がおり、まるで水族館の水槽に入っているようだった。魚を見たいと思いつつも、水中で上手く体勢を安定できない。水泳とダイビングでは勝手が違う。
指差した先に魚がいるのがわかるだろうか?砂に潜って獲物を狙うスナゴチだ。ガイドさん曰く、刺身が絶品だそう。触るとプニプニしていた。
次第に体調が悪くなり、50分ほど経ったところでギブアップ。浮上して船内へ戻った途端、胃の中が逆流してきた。波酔いというらしい。頭痛もする。もともと乗り物酔いしやすい体質だったのもあり、ダイビングはここで切り上げることに。ガイドさんが本当に丁寧で親切だったので、申し訳なさを感じつつも続行不可能を伝えた。何事も無理は禁物だ。
ダイビングをしているときに感じたのは、魚が可愛いとか海が綺麗とかいった感覚よりも、人間が生きられない世界に来たという感覚だ。水面は遥か上、上へ行くにも下へ行くにもゆっくりとしか動けない。死と隣り合わせという極限状態にさらされる宇宙飛行士はこんな感じなのだろうか。スキューバダイビングのイメージとは裏腹に、死に思いを馳せたダイビングだった。
「海神祭」という地元のお祭りの前夜祭があるということで夕食はそこでとることに。そういえば、志摩を旅行したときにも「わらじ祭」という地元のお祭りに遭遇した。規模は志摩の方が大きかったが、それでも100人以上の人で賑わっていた。
もともと人の多いところは苦手だし、送迎してもらった手前すぐに帰りたいとも言えないので辺りを散策すると、東経123度45分6.789秒(123456789)のモニュメントを発見した。この時期の西表島では19時半くらいに夕日が見られる。東京ではとっくに真っ暗だろう。日本標準時の兵庫県明石市が東経135度なので、西表島はかなり西にあることがわかる。本土よりも台湾が近い。
空は晴れ渡り、少し風はあったが絶好のカヤック日和だ。港を出発し、沖に浮かぶ無人島を目指す。岸を離れると波があり、パドルを漕ぐのが大変だが、エメラルドグリーンの海に太陽の光がきらめいて、沖縄に来たという感じがする。
無人島に上陸し、砂浜に座ると波が気持ちいい。白い鳥が頭上を舞い、雲は滑るように青空を流れていく。なんだか日頃のあれこれがどうでもよくなってきて、ずっとこのまま座っていようかという気さえしてくる。
ランチにガイドさん特製のナポリタンをいただき舌鼓をうつ。ガイドさんは気さくで話がおもしろい。そういえば、3日間いろんなツアーに参加して、結局一度も他の客に会わなかった。6月の梅雨明け前後は客が少なくオススメだそうだ。
無人島から西表島を望む。西表島の面積は沖縄県では本島に次ぐ広さで、八重山諸島では最大だ。島のほぼ全域が国立公園に指定されている。島のあちこちでイリオモテヤマネコを轢かないよう注意を呼びかける看板を見たが、結局イリオモテヤマネコに会うことはなかった。
泡盛とジンジャーエールのカクテルだが、なかなかインスタ映えに撮れた。が、西表島のイメージを誤解させないために言っておくと、西表島にはコンビニもATMもない。前もって現金を準備して行こう。ホテルはレストランの多い上原地区がオススメだ。
20時でもまだ明るさが残っている。明日で西表島ともお別れだ。西表島で出会った人たちはみんな移住者だった。不便でも住みたいと望んで来た人たちだ。もともと東京で働いていた人も少なくない。気候も時間の流れも違う西表島の地で根を下ろし、生活を営んでいるのだから頭が下がる。
ホテルをチェックアウトし、9:30の便で上原港から石垣港へ向かう。この便は利用客が多いので大きい船だ。おかげで行きみたいに揺れず、全く酔わなかった。石垣港からはレンタカーで川平(かびら)湾を目指す。川平湾は石垣島で最も人気の観光スポットだ。
川平湾に着くと、駐車場には多くの観光バスが停まっていた。聞こえてくるのは中国語ばかりだ。石垣には台湾や香港からの直通便が来ているらしい。風景を写真に収め、次の目的地へ車を走らせることにした。
川平湾から玉取崎(たまとりざき)へはちょうど島を横断する形になるが、50分も走れば着く。展望台に着いたとき人はおらず、見晴らしのいい景色を眺めながら少しの間ぼーっとした。気がつくと少しずつ人が増えてきた。観光バスが来たようだ。予定より少し早いが空港に向かおう。
人が見たいという奇特な人でない限り、石垣島は経由地にして離島を目指した方がいい。西表島以外にも八重山諸島には多くの島がある。竹富島なら石垣港から15分で着くし、同僚は毎年ダイビングに行っている。たぶん西表島よりは便利だろう。だから何度も言うが、離島を目指そう。お兄さんとの約束だ。
最後にこの旅の持ち物と服装、注意点を紹介して終わりにする。参考にしていただければ幸いだ。
- マリンシューズ
- レンタルがあるので脱ぎ履きしやすいビーチサンダルを持っていった方が良かった
- サングラス
- 無いと死ぬ
- 日焼け止め(ウォータープルーフ)
- 無いと死ぬ
- ツバの長い帽子
- 防水、あごひも付き
- 海上は風が強いのであごひも必須
- シュノーケリングセット
- 自分でシュノーケリングするなら
- シーカヤックツアーでできるので不要かも
- ラッシュガード
- 無いと死ぬ
- 水着
- なんでもいい
- 現金
- ATMがないので多めに持っていく
- 財布
- ツアー参加費を入れるための濡れてもいいもの
- GoPro
- 海で落としたら終わるのでフローティングハンドグリップ必須
- 歯磨きセット、ひげ剃り
- アメニティでは無いものと思った方が良い
- ドライバッグ
- 必須
- 防水スマホケース
- 必須
- ドライバッグとセットになってることが多い
日焼け止めを塗って、水着、ラッシュガード、ビーサン、帽子、サングラスを着用する。スマホは防水ケースに入れ、首からかけるかドライバッグに入れる。
ビーサンは靴擦れしないよう普段から履き慣れておくこと。
- 減圧症の危険があるため、ダイビングはフライトの前後24時間以上あけて計画する
- ダイビング初体験なら半日ツアー(1ダイブ)が良いかも
- 雨が降っても大丈夫な格好をしておく
- 体調が悪いときは無理せず必ずガイドさんに伝える
- 無理をしない
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