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Post title iconMIXIからグローバルへの挑戦で起こった3つの変化
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この記事はex-MIXI Advent Calendar 2023の4日目の記事です。

MIXI卒業生の今を伝えるex-MIXIアドベントカレンダー2023の4日目は今回が初参加のおとよがお送りします。

まだMIXIの一員だった頃、ex-MIXIアドベントカレンダーは毎年楽しみに読んでいたので、いざ自分が執筆側となるとなんだか不思議な感じです。

おそらく現MIXIの方もたくさん見に来てくれるはずということで簡単に自己紹介しますと、私は2013年2月から2022年11月までMIXIに在籍していて、CS部門のエンジニアチームであるCREとして問い合わせの技術的調査やCSツールの開発などに従事していました。在籍中に社名がミクシィからMIXIに変わったし、ビルも渋谷スクランブルスクエアに移ったんですよね。

昔話はさておき、卒業してからどんな変化があったかと言うと主に3つあります。環境、役割、そして仕事における開発業務の割合です。

MIXIを退職して今はAutify(オーティファイ)という、ノーコードでE2Eテストを作成することができるSaaSのスタートアップで働いています。

オーティファイはサービスのユニークさもさることながら、全スタッフの半数程度が外国人のメンバーで構成されており、エンジニアリング部門に限定すればその割合はさらに高くなります。当然、公用語は英語ですが、外国人スタッフの多くが日本に在住していることも関係してか、オーティファイのユニークな点は全員が言語の壁に理解があるということです。

例えば私の所属するチームは6名のうち4名が外国人で、その全員が日本語を勉強しています。互いに母語でない言語でのコミュニケーションの難しさを理解しているので、私が英語を聞き取れなかったり言いたいことをうまく表現できなかったとしても、別の簡単な表現で言い直してくれたり、「それってこういうこと?」と助け舟を出してくれたりします。おかげでこれまで英語が理由でコミュニケーションで置いてけぼりになったことは一度もありません。

英語学習のサポートも充実しており、英語が上達するほどインセンティブが与えられる制度になっているので、英語学習という面だけで見てもこれ以上適した環境はなかなか無いでしょう。

英語以外でも、グローバルな働き方という点で新鮮だったことがいくつかあります。

ひとつ目は、日本人同士のコミュニケーションで暗黙的に要求されるマナーや行き過ぎた気遣いが無いことです。議論においてみんな思ったことを率直に言うのでコミュニケーションの効率が良いです。

特に驚いたのは「お節介」という概念が存在しなかったことです。まだ入社して間もない頃、私が自分の知識を共有することが、お節介というかこれ見よがしに見えないか躊躇していることをチームに伝えたところ、「共有することは相手を気にかけること(Sharing is caring)」という言葉を教えられハッとしたことがありました。

ふたつ目は、病欠や長めの休暇を当たり前のように取れることです。

「他社の入社1年目だとこんなにも休めないだろうな」と思いながらありがたく休ませてもらっています。その証拠に休暇を取って 🚣‍♂️Arrow icon of a page link珊瑚の湖に浮かぶ小さな島 小浜島に行ってきた という記事を以前書きました。

そもそもオーティファイには無制限有給休暇の制度があり、それこそ好きなだけ休むことができます。働いた時間ではなく、出した成果で評価される成果主義が徹底されているためです。

そのほかでは、人事部門に日本人スタッフがいて人事・労務面のサポートが得やすいことも大きいです。年末調整やiDeCoなど日本特有の手続きに詳しい方がいるのは心強いです。

まさに、日本企業と外資企業の良いところ取りした会社と言えます。外資で働いてみたいが英語に自信が持てない方にとってオーティファイは最適解の一つになると思っています。

MIXIでは長らくエンジニアリング・マネージャー(EM)として働いていましたが、オーティファイではEMではなくIC(Individual Contributor)として働いています。ICとはいわゆるプレイヤーのことです。

EMからICに役割が変わったことで良かったことが2つあります。ひとつはEMをやっていて良かったこと、もうひとつはICになって良かったことです。

EMをやっていて良かったことは、過去に経験があることで上司の立場や置かれている状況、さらには会社全体を俯瞰して意思決定の背景を推し量れることです。

何を重視するのか、何故そうなるのか、ある程度背景を想像できるので「まぁそうだよね」と納得感を持って仕事できますし、場合によっては手助けを申し出ることもできます。自分で言うのもなんですが、この点は割と重宝されていると思います。

ICになって良かったことは、圧倒的に気が楽になったことです。

EMをやっていたときは仕事が終わった後も組織のことや目標のことやその他色々で頭がいっぱいで気の休まる瞬間が無かったのですが、ICでは手持ちの仕事だけ考えれば良いのでとても楽です。ワークライフバランスという面では劇的に改善したと思います。余暇を心から楽しめるようになりましたし、例えば本も、「読まなければならない本」ではなく「読みたい本」を読めるようになりました。

心に余裕が生まれたことで自分自身に目を向ける時間ができ、個人的な目標もできました。個人開発で好きなサービスを作り、運営し、あわよくばたくさんの人に使ってもらいたいという夢です。

Skebを生み出し今や大きなサービスになっているなるがみさん、Zennの生みの親で最近はしずかなインターネットをリリースした@catnoseさん、いち早くニーズを捉えてWraptasを作り出した@nabettuさん、mosyaを開発し個人だけでなく法人営業も成功しているgodaiさんが自分の目標です。

MIXIでは個人業務の半分が問い合わせの技術的調査、残り半分がCSツールの開発という割合だったのに対し、オーティファイではテクニカルサポートとして働いているため、開発業務としては稀にCSツールへのリンク追加など簡単な機能追加を行う程度で、業務の99%は問い合わせの技術的調査です。

もともと開発が好きな自分としては正直物足りなさを感じてしまいますが、見方を変えれば「まぁそれも悪くないか」と思えます。理由は2つあります。

ひとつは、グローバル市場における自身の価値を考えた結果、日本語ネイティブというカードを有効活用した方が良いと思ったからです。先にも書いた通り、私のエンジニアとしてのスキルセットは「開発も」できるサポートエンジニアです。開発は好きですが、開発を100%やってきた純粋な開発エンジニアには到底及びません。

一方、サポートエンジニアは開発エンジニアよりもよりCSや顧客に近いのでコミュニケーションが多く発生する分、その国の言語スキルがアドバンテージになりやすい傾向があります。このことは外資企業が開発チームは本国に、サポートチームは各国の支社に配置するというよくある構図からも想像しやすいでしょう。

開発スキルだけで世界中の優秀なエンジニアと張り合うよりも、日本語ネイティブという強みを活かした方が、自身のスキルセットや経験を鑑みてより市場価値を高められると考えました。

ふたつ目は、開発したい欲は個人開発で満たすことができるからです。

私の「開発したい」という欲求を分解した結果、決められたものを作りたいのではなく、作りたいものを作りたいのだと気付きました。であれば、仕事として開発業務に携わるよりも、自分で自由にできる個人開発の方が適しています。

実際にOSSや個人開発サービスを作り運営していると十分に「開発したい」欲求が満たされることがわかりました。これらのOSSや個人開発サービスはどちらもブログに関するもので、詳細は「個人開発」と「OSS」アドベントカレンダーで後日書くので良かったら見にきてください。

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個人開発したサービス「N2B」で作成できるブログ

以上、MIXI卒業後にどんな変化があったかについて書いてみました。

そういえば卒業後MIXIの人に会ってない気がするので、同窓会とか忘年会とかあれば呼んでください。何卒。相談もあれば気軽にどうぞ。

それでは、明日以降のex-MIXIアドベントカレンダーもお楽しみに。

Thank you!
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